「嗚呼、、、最近の俺、心が薄汚れている」
「何か心から燃えるようなことをやってみたい」
日々の生活に疲れ切ってしまった大人、もしくは自分が本気で打ち込めることを探している少年少女におすすめしたい漫画のジャンルが「青春漫画」です。毎日きつい思いをしながらも汗水たらして頑張った部活動、甘酸っぱい恋愛、もしくはそういうキラキラした場所から離れてダラダラと過ごした日常…そのどれもが大人になるととても貴重な時間だったりするわけです。
そんな若者たちの青春を描いた作品の中から本当におすすめできる作品を厳選。あの頃の気持ちを思いだしながらページをめくっていただけたらなと思います。

INDEX
- 1. スキップとローファー / 高松美咲(連載中) -ハイスクール青春漫画-
- 2. 銀の匙 Silver Spoon / 荒川弘(完結 / 全15巻) -酪農系青春漫画-
- 3. ちはやふる / 末次由紀(連載中) -熱血かるた青春漫画-
- 4. ランウェイで笑って / 猪ノ谷言葉(連載中) -ファッション系青春漫画-
- 5. 左利きのエレン / かっぴー、nifuni(連載中) -お仕事系青春漫画-
- 6. セトウツミ / 此元和津也(完結 / 全8巻) -放課後系青春漫画-
- 7. この音とまれ! / アミュー(連載中) -音楽系青春漫画-
- 8. お茶にごす。 / 西森博之(完結 / 全11巻) -茶道&ヤンキー系青春漫画-
- 9. ARIA / 天野こずえ(完結 / 完全版全7巻) -SF日常系青春漫画-
- 10. ブタイゼミ / みかわ絵子(完結 / 全2巻) -青春演劇漫画-
- 11. もやしもん / 石川雅之(完結 / 全13巻) -農業系青春漫画-
- 12. かくかくしかじか / 東村アキコ(完結 / 全5巻) -藝術系青春漫画-
- 13. BLUE GIANT / 石塚真一(連載中) -音楽駅青春漫画-
- 14. 青のオーケストラ / 阿久井真(連載中) -音楽系青春漫画-
- 15. 忘却バッテリー / みかわ絵子(連載中) -青春野球漫画-
- 16. あさひなぐ / こざき亜衣(完結 / 全34巻) -なぎなた青春漫画-
- 17. DAYS / 安田剛士(連載中) -青春サッカー漫画-
- 18. ブルーピリオド / 山口つばさ(連載中) -藝術系青春漫画-
- 19. とめはねっ!鈴里高校書道部 / 河合克敏(完結 / 全14巻) -文化系青春コメディー-
- 20. SKET DANCE / 篠原健太(完結 / 全32巻) -青春学園漫画-
- 21. シューダン! / 横田卓馬(完結 / 全4巻) -青春サッカー漫画-
- 22. ぐらんぶる / 井上堅二、吉岡公威(連載中) -裸系キャンパスライフ-
- 23. バクマン / 大場つぐみ、小畑健(完結 / 全20巻) -青春漫画道-
- 24. 惰性67パーセント / 紙魚丸(連載中) -怠惰系キャンパスライフ-
- 25. 青のフラッグ / KAITO(連載中) -青春純愛物語-
- 26. ハイキュー!! / 古舘春一(完結 / 全45巻) -青春バレー漫画-
- 27. 彼方のアストラ / 篠原健太(完結 / 全5巻) -SF青春漫画-
- 28. 映像研には手を出すな! / 大童澄瞳(連載中) -青春アニメ漫画-
- 29. 坂道のアポロン / 小玉ユキ(完結 / 全10巻) -青春ジャズ漫画-
- 30. それでも町は廻っている / 石黒正数(完結 / 全16巻) -青春日常漫画-
- 31. あおざくら 防衛大学校物語 / 二階堂ヒカル(連載中) -防衛大学青春漫画-
- まとめ
1. スキップとローファー / 高松美咲(連載中)
-ハイスクール青春漫画-
岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです!
これぞ青春!ちょっとした傷も優しさも全部詰まった等身大の青春を描いた傑作
将来官僚になるために過疎地から東京の高校に引っ越してきた「みつみ」。入学式のあいさつ担当のはずが間違えて急行にのってしまい遅刻寸前のみつみをすくったのはワケありのイケメン。
都会の高校にあらわれた天然むつみ。影のあるイケメン、容姿端麗だけど嫉妬に辟易してきた美女、恋に悩む女子高生、地味な自分に引け目を感じるオタク系少女。そんなバラバラなクラスメイトがみつみを中心にまとまっていく。

© スキップとローファー
「あー、いい漫画読んでるなあ…」と毎回の読後感がとてもよい「スキップとローファー」。もうタイトルからしてさわやかでいいよね。ちなみにこれ一見すると少女漫画っぽいけど青年漫画誌で連載しています。
この作品のよいところは「みんなそれぞれ悩みを持っている」ということですね。思春期特有のコンプレックスやすれ違いが繊細に描かれていますが、それを重くせずによませることができるのがみつみの存在でしょう。
どんどん素直になって仲良くなっていくクラスメートを見ていると口元がゆるみます。文句なしにいい作品。

2. 銀の匙 Silver Spoon / 荒川弘(完結 / 全15巻)
-酪農系青春漫画-
大自然に囲まれた大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾。授業が始まるなり子牛を追いかけて迷子、実習ではニワトリが肛門から生まれると知って驚愕…などなど、都会育ちには想定外の事態が多すぎて戸惑いの青春真っ最中。仲間や家畜たちに支えられたりコケにされたりしながらも日々奮闘する、酪農青春グラフィティ!!
勉強しかやってこなかった都会の少年が「農業高校」でいろんな価値観にふれ成長していく酪農青春グラフィティ
都会育ちながら大蝦夷農業高校に入学した八軒勇吾が初めて経験することに戸惑いながら成長していく酪農青春グラフィティ。登場人物が基本的にいいやつなので安心して読めます。

© 銀の匙 Silver Spoon
物語は農業高校を舞台に学校行事を通しながら進んでいきます。農業高校という未知の分野で多くの経験をして成長した主人公。学園生活の中で何を選択していくのかに注目してください。また、それぞれの登場人物が進路、家庭について悩んで葛藤しています。主人公同様にクラスメートたちにも個別にドラマがあって試練をポジティブ乗り越えていく様はすがすがしいもんです。

© 銀の匙 Silver Spoon
また子供たちを見守る大人たちがいい味だしてるんですよ、ほんと。時に厳しいことを言うこともあるんですが根底にはかならず優しさがあります。

3. ちはやふる / 末次由紀(連載中)
-熱血かるた青春漫画-
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早(ちはや)。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新(あらた)。おとなしくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!
青春まるごとかけて挑む「かるた」!少女漫画とは思えないど熱血スポ根マンガです
福井から来た転校生の影響で「かるた」にはまった主人公・ちはやがかるたの魅力に憑りつかれていく熱血青春スポ根性かるた漫画。少女漫画が苦手な人にもおすすめできる作品。

© ちはやふる
この作品はちはやだけでなくて脇を固めるキャラが魅力的なのが本当に良い。また編集者も作者もかなり情熱的にかるたという題材に向き合ったらしくかるたの持つ競技性を強烈なまでに描いていてます。評価が高いのも納得の作品。


4. ランウェイで笑って / 猪ノ谷言葉(連載中)
-ファッション系青春漫画-
身長は、158cmから伸びなかった・・・。藤戸千雪の夢は「パリ・コレ」モデル。モデルとして致命的な低身長ゆえに、周囲は「諦めろ」と言うが、千雪は折れない。そんなとき、千雪はクラスの貧乏男子・都村育人の諦めきれない夢「ファッションデザイナー」を「無理でしょ」と切ってしまい・・・!?「叶わない」宣告をされても、それでも一途に夢を追って走る2人の物語。
「夢」をとことん追いかける二人の主人公から目が離せない!ファッション×青春の傑作漫画
子供のころからパレ・コレを目指すも身長が伸びなかった少女・藤戸千雪が貧乏だけどファッションデザイナーを目指すクラスの少年・都村育人に出会う。最初は育人を突き放すもそれぞれの夢に向かって走る二人を描く。

© ランウェイで笑って
W主人公ものですね。いま一番キラキラしてるお仕事・青春漫画と断定してもいいでしょう。マンガ大賞にもノミネートされた作品です。笑ってはいけないといわれているランウェイで思わず微笑んでしまう千雪や貧乏ながらもデザイナーになるチャンスに死に物狂いでチャレンジしてる育人に感情移入してしまうこと間違いなし。


5. 左利きのエレン / かっぴー、nifuni(連載中)
-お仕事系青春漫画-
広告代理店勤務の若手デザイナー・朝倉光一。納得出来ない理由で自ら勝ち取った仕事を取り上げられた彼は、やりきれない気持ちを抱えて横浜の美術館へと向かう。そこは、彼が初めて「エレン」という才能と出会った場所で…。大人の心も抉るクリエイター群像劇、開幕!
大人にこそ読んでほしい「青春お仕事」漫画!初心に戻れる社会人のバイブル
広告代理店勤務の若手デザイナー・朝倉光一。納得出来ない理由で自ら勝ち取った仕事を取り上げられた彼は、やりきれない気持ちを抱えて横浜の美術館へと向かう。そこは、彼が初めて「エレン」という才能と出会った場所で…。

© 左利きのエレン
ウェブで話題になった作品をジャンプ+でリメイクした本作。デザイナーとして奮闘する朝倉と絵の才能にあふれているエレンのそれぞれの軸で話が進む。特に朝倉視点の話は広告関係の仕事をしている人にはグッサグサ刺さるパワーワードの嵐。クリエイター志望の学生も必見です。


6. セトウツミ / 此元和津也(完結 / 全8巻)
-放課後系青春漫画-
「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」。 まったりゆったりしゃべるだけ。関西の男子高校生、瀬戸と内海のクールでナナメでシニカルな放課後トーク7編。
なにか夢中になるのだけが青春じゃない。川原でだべるだけの放課後がなんでこんなにおもしろいのか?
川辺で毎日1時間半の暇つぶしをする瀬戸と内海。少しあほで能天気な瀬戸と頭の回転が異常に早い内海の放課後トーク。
舞台でいうところの密室劇に近い(密室じゃないけど)。基本的に瀬戸と内海の会話だけで物語が進みます。とにかく軽快にトークが進むのでできのよい漫談を見てるようです。少しずつこの二人のトークにゲストのようにクラスメートや家族が加わりつつも場所は河原で固定。トークだけです。

© セトウツミ
7巻までならよくできたギャグ漫画なんだけど、最終巻でガラガラっと印象が変わります。一つ一つのギャグも伏線になっておりグワーッって心を持っていかれます。


7. この音とまれ! / アミュー(連載中)
-音楽系青春漫画-
先輩が卒業して箏曲部ただ一人の部員になってしまった武蔵。四月になり新入部員の勧誘に励むのだが、部の存在自体を知らない人も居る状態。そんな彼の前に現れた、見るからに不良で箏とは縁の無さそうな新入生が入部したいと言い出して!?
箏の迫力ある演奏描写に涙腺が崩壊すること間違いなし
卒業生が抜けて一人になって筝曲部の部長・武蔵はまわりから「なでしこちゃん」とからかわれるも奔走。そこに主人公であり不良の愛(ちか)と天才筝曲者・さとわが入部し…っていうこの手の青春作品の王道のストーリー展開。だがそれが良い。この主人公たちとにかく練習する。この手の作品の中でもっとも練習の描写が多い。だから大会での彼らの演奏が神がかって見えます。

©この音とまれ!
いい意味で「箏」に対する既成概念をぶっ壊してくれるこの作品。13巻の大会の演奏シーンは読むたびに泣いてしまう。
また作中の楽曲を公式で実際に演奏(Youtubeはこちら)。箏ってかったるい音楽と思っていた自分の頬をひっぱたきたくぐらいかっこいい。速いし、迫力あるし、姿勢とか含めて美しい。箏ブーム来るかも…


8. お茶にごす。 / 西森博之(完結 / 全11巻)
-茶道&ヤンキー系青春漫画-
「平和な心と生活を手に入れたい」と願い、茶道部に入部した最強の不良・デビルまークン! 彼は暴力の連鎖から逃れ、優しさの道を極めることが出来るのか…?
最強の不良が抜群の優しさを持つ先輩に惚れ茶道部に!
「デビルまーくん」と呼ばれ界隈から恐れられる最強の不良が「優しくなるため」に茶道部。優しさの塊のような部長、そんな部長に女性として憧れつつもまーくんと敵対する狂犬のような少女かほちゃんも入部。茶道部に優しさと権化と最強不良と狂犬が集まった…。
作者の代表作「今日から俺は!」のテンションを一番受け継いでいるのはこの作品。主人公のまーくんも最高だけど、まーくんが惚れた部長と同級生のかほちゃんがすごくよいヒロインなので注目です。
最終回に向けてギャグと切なさがまじりあっていくのが最高に青春漫画です。


9. ARIA / 天野こずえ(完結 / 完全版全7巻)
-SF日常系青春漫画-
物語は、惑星マンホーム(地球)から来た少女、水無灯里の視点で語られる。灯里はウンディーネとなるために、人間一人、猫一匹の小さなゴンドラ観光会社「ARIAカンパニー」に入社する。この都市の観光会社には航海の安全を祈願するために青い瞳の猫を象徴にするという風習があり、ARIAカンパニーでは火星猫のアリアを社長にしている。アリアは作品のマスコット的存在ともなっている。経営者で先輩のアリシアは業界一の成績を持つウンディーネであり、灯里はその優しい指導の下で成長していく。
水先案内人が半人前から一人前へ成長していく「清らかな」青春漫画!
惑星改造により生まれた水の惑星「アクア」。その観光都市ネオ・ヴェネツィアでゴンドラを操りウンディーネと呼ばれる水先案内人を目指す少女の話。
日常&青春漫画っぽいんですけど火星をテラフォーミングした作品なのでSFといえばSFでしょう。注目して欲しいのは絵の美しさと物語に不純物が一切混じっていな清らかさ。心の汚れたおじさんが見てもぐっとくる美しい作品です。アニメも素晴らしい。

もともとは「AQUA」「ARIA」という順番で刊行されていますが、完全版ではすべて「ARIA」に統一されています。
10. ブタイゼミ / みかわ絵子(完結 / 全2巻)
-青春演劇漫画-
「限られてるの、時間って。皆それに気づいてなくて」――なんでもできるようで何もないカラッポの「僕」と、演じることしかできない若き天才女優。魂が熱くなる、青春演劇マンガ!
感情を殺し続けてきた「僕」と天才女優が出会ったとき奇跡がおきる青春演劇漫画
何でもできるけど「何かしなくてはいけない」と焦っている主人公・千石今日太。そんな彼を演劇の世界に引き込んだ天才女優・如月今日子。なぜ如月今日子は天才女優になったのか?なぜ如月今日子は千石今日太を選んだのか?すべての伏線を回収する迫真の舞台が開幕する…

© ブタイゼミ
全2巻。圧倒的熱量で描かれる青春演劇マンガ。短いながらもメイン二人を中心に人物の心情が丁寧に描かれており満足感がすごいです。ふたりが熱演する舞台描写は驚異の熱量。作者も全力が伝わってくる傑作です。


11. もやしもん / 石川雅之(完結 / 全13巻)
-農業系青春漫画-
菌が見える特殊能力を持つ、もやし(種麹)屋の次男坊、沢木惣右衛門直保。彼は東京の某農大に入学する。農大を舞台に、沢木と研究室その他の仲間達、そして菌が活躍したりしなかったりのキャンパスライフ。大学生活のモラトリアム感と、菌が満載の「もやしもん」。あなたもぜひ、かもされてみてください。
かもすぞ!農大を中心に繰り広げる青春「菌」グラフィティ
「菌」が見える主人公・沢木惣右衛門直保が東京の農大に入学。この「菌」と農大に巣くう奇人変人との生活を描いた新感覚の学習漫画がこの「もやしもん」。

© もやしもん
「菌」についてわかりやすく学べるだけでなく、農大の醸し出す独特の雰囲気が読んでいて心地よい。日常漫画としても学習漫画としても青春漫画としても楽しめる。個人的には農大で「オクトーバーフェスト」を開催するとこすげえ好き。


12. かくかくしかじか / 東村アキコ(完結 / 全5巻)
-藝術系青春漫画-
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!? 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
東村アキコの青春時代を描く自伝。破天荒な恩師と繰り広げる「芸術」漫画
東村アキコの自伝的作品。将来のことを何も考えずに世間を舐めまくっていた作者が絵画教室の先生に出会い、とにかくズタボロにしごかれながら美大を目指すというお話です。

©かくかくしかじか
とにかく先生がぶっとんでいて面白い。乱暴で、がさつ、だけど芸術に対する想いと人に対する先生の優しさにきっと泣いてしまうでしょう。一般人にはわからない美大性の生体や漫画家のデビュー直後の実態をユーもあったプリに描いている。個人的には作者と同じ宮崎出身ということで随所にちらばるローカルネタににんまりしながら読んでいました。

13. BLUE GIANT / 石塚真一(連載中)
-音楽駅青春漫画-
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。 「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」 努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
超意識の高いジャズマンの強烈な個性に惹かれること間違いなし
仙台の高校に通う宮本大。ある日ジャズに心打たれ世界一のジャズプレーヤー(BLUE GIANT)を目指すと誓う。来る日も来る日も猛特訓を続ける大は多くの縁に恵まれ、才能を開花していきます。
最近読んだ漫画で一番面白かった作品を上げろと言われれば迷わずこれ。もうめちゃくちゃ面白い。ぱっと絵柄や表紙を見て避けてる人…損はさせないので絶対読んだほうがいい。

© BLUE GIANT
とにかく大はめげないし練習練習&練習。これでもかっていうぐらい努力してる描写をみせられ、そして目標に向かって突き進む姿はかっこいいし憧れる。そして演奏シーンは圧巻。巻末でいろんな登場人物が大との出会いやエピソードを語るのも味わい深くてよいです。

「BLUE GIANT」は10巻で第一部完。現在「BLUE GIANT SUPREME」として第2部も11巻で完結。現在はアメリカ編「BLUE GIANT EXPLORER」を連載中。

14. 青のオーケストラ / 阿久井真(連載中)
-音楽系青春漫画-
とある理由でヴァイオリンを弾くのを辞めた元・天才少年、青野一。中学3年の秋、一人の少女と高校のオーケストラ部と出会い、止まっていた彼の時間が動き出す――
青春の痛さも美しさもギュッとつまった青春オーケストラ漫画
天才ヴァイオリニストとしてコンクールを総なめしていたが親のスキャンダルに巻き込まれてヴァイオリンを辞めた青野。オーケストラで有名な高校に行きたい少女律子と出会った青野はヴァイオリンを教える中で再び演奏する喜びに目覚める。

© 青のオーケストラ
まさに「青春音楽漫画」。わけありの少年・少女が自分の問題に向き合い、演奏に向き合い成長していく。オーケストラ全体での演奏シーンは圧巻。また、オーケストラ部のみんないい奴らで応援したくなります。


15. 忘却バッテリー / みかわ絵子(連載中)
-青春野球漫画-
中学球界で名を馳せるも野球から遠ざかっていた天才たちが都立の野球無名高校で偶然集結。完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火。その相方、切れ者捕手の”智将”要圭(記憶喪失により現在、素人!)。そして、かつて2人に敗れ散った者たち…。巡り合い、再び動き出す彼らの高校野球ストーリーがいま始まる!!
ギャグとシリアスのバランスが超絶妙!いま一番おもしろいウェブ系野球漫画
中学時代にあらゆる球児達の心をたたき折った完全無欠の剛腕投手・清峰葉流火と”智将”要圭。二人に負けて野球を辞めた山田太郎は野球部の無い都立高校で清峰葉流火と要圭に出会うがどうも様子がおかしい。知将と恐れられた要圭は記憶喪失になっており超絶おバカさんになってしまったのだ・・・!!
かつて二人に負け野球を辞めてしまった天才たちが、ふたりの背中を守るために立ち上がる…というような作品です。

© 忘却バッテリー
今いちばん更新が楽しみな作品がこの「忘却バッテリー」です。投手は神の子レベルの怪物。捕手は元・智将の記憶喪失おバカさん。二遊間はヤンキーとナルシスト。その4人の天才を凡人の山田が見守るんですが、ギャグの合間に織り込まれるナレーション(山田の心の声)がよいんです。最高の青春野球漫画です。


16. あさひなぐ / こざき亜衣(完結 / 全34巻)
-なぎなた青春漫画-
二ツ坂高校一年、東島旭、15歳。 中学まで美術部だった旭は、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる」といううたい文句に感激し、薙刀部に入部する。 痴漢を蹴りで撃退する強き女、あこがれの先輩、宮路真春、同じ一年生で剣道経験者の八十村将子と長身が悩みの紺野さくら…旭と仲間達“なぎなたガールズ”の強く!楽しく!!美しい!!!物語が始まる--
女子高生だけど超絶スポ根!熱い青春漫画
高校からなぎなたを始める旭とその部活の仲間の成長を描く女子スポ根漫画。ここまでの熱血スポ根は男子が主役の漫画でも昨今ないかも。
登場人物がほぼ女子ということで恋愛描写多めの作品かなと思いきや恋愛描写は少なく、むしろ仲間(ライバル含む)の心理描写のほうが多くかつ丁寧ですごく好感が持てる。畑違いだけど雰囲気は「帯ギュ」「とめはね」にも似ています。つまり、描写が丁寧でおもしろいということです。
17. DAYS / 安田剛士(連載中)
-青春サッカー漫画-
少年たちは全力で、笑い、泣き、走る!! 心をジンジン刺激する! 激熱サッカー漫画!! ――何のとりえもない、特技もない。けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本(つかもと)つくし。孤独なサッカーの天才・風間陣(かざま・じん)。嵐の夜、交わるはずのないふたりが出会ったとき、高校サッカーに旋風を巻き起こす、灼熱、感動、奇跡の物語が幕を開ける!!
走ることしかできない下手くそが強豪サッカーチームに化学反応をもたらす
何をしてもどんくさい少年・つくしが天才サッカープレーヤーの風間と友達になり名門サッカー部に入部する。チームは全国を狙う名門で主人公は何のとりえもないど素人。ただし、この主人公とにかく走ります。

© DAYS
走ることしかできない。けど誰よりも走るの姿勢にチームメイトが感化されどんどん強くなります。試合も熱い展開が多く面白い。また、いちいち泣けるエピソードをぶっこんでくるので涙腺弱い人は注意です。泣けるし、熱いサッカー漫画が「DAYS」なんです。

18. ブルーピリオド / 山口つばさ(連載中)
-藝術系青春漫画-
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!
「好きなことをする努力家はね 最強なんですよ!」
「これは俺の感動じゃない」「他人の努力の結果で酒飲むなよ」サッカー日本代表の試合を見て漠然と焦る主人公・矢口八虎。スクールカーストでも上位の八虎はある日絵の面白さに気づき芸大受験に向けて絵の勉強に励む。

© ブルーピリオド
主人公が絵を描きたいと想い、その道を志し努力していく過程にこみ上げてくるものがあります。美術の先生の言葉も厳しく、そして優しい。受験の中でもとにかく異質な芸大の受験。浪人が当たり前の世界の厳しさ、受験生の競争や葛藤、少しずつハードルを超えて成長していく主人公たち。かなりガチの美術漫画です。
書道漫画「とめはね」と同様に実際の美大生の絵が作品で使われていて、非常にリアリティのある作品へと仕上がっています。
19. とめはねっ!鈴里高校書道部 / 河合克敏(完結 / 全14巻)
-文化系青春コメディー-
脅されて書道部に入部した大江縁と、だまされて書道部に入部した望月結希。一風変わった先輩たちに翻弄されて、これでいいのかと思う日々。それでも、ダイナミックでデリケートな書の世界は、かなり魅力的で… 文化系青春コメディー、It’s 書(SHOW) TIME!!
書道から始まるボーイミーツガール!全巻読んだらきっと「文字」で泣く
脅されて書道部に入部した大江縁と、騙されて書道部に入部した望月結希。一風変わった先輩たちに翻弄されて、これでいいのかと思う日々。でも、ダイナミックでデリケートな書の世界は、かなり魅力的で… そして彼らの「書の甲子園」を目指す日々が始まる!!

© とめはねっ!鈴里高校書道部
難しい伏線とか無く非常に楽な気持ちで読める作品です。主人公たちもそもそも素人なので少しずつ書に触れステップアップしていくように読者である我々も書についてどんどん詳しくなっていきます。読み終わるころにはなんとなく「良い書」がわかるようになってきます。不思議。特にラストの持っていきかたがすばらしくてのゆるゆるの涙腺に耐えられるような甘い出来じゃなかったです。


20. SKET DANCE / 篠原健太(完結 / 全32巻)
-青春学園漫画-
学園生活の中で、誰もが一つや二つ抱えてしまう悩みや問題。それらを何でも解決してくれる、学園生活の助っ人になってくれるヤツらがいた! 彼ら学園生活支援部――通称“スケット団”に、今日も仕事の依頼が舞い込む!!
学園に発生するなんでもない悩みを解決する「スケット団」の活躍を描く学園漫画
学園のトラブルや人助けに取り組んでいる通称「スケット団」。地味だけど閃きのすごいリーダー「ボッスン」、武闘はヤンキーの「ヒメコ」、パソコンで喋る情報屋「スイッチ」の3人。スケット団は変な依頼や真面目な悩みを馬鹿馬鹿しく、グダグダしながらも解決していく。
特殊スキルがない主人公たちの学園モノで連載当初は10週打ち切りになるかもと危惧してました。しかし、1話1話丁寧な構成や癖のある登場人物たちの登場により徐々におもしろくなっていき終わってみれば非常に読後感の良い作品だったと思うはずです。とてつもなくお馬鹿な話から目をそむけたくなるぐらいヘビィな回までふり幅が大きいのも作品の魅力。

21. シューダン! / 横田卓馬(完結 / 全4巻)
-青春サッカー漫画-
サッカー王国と呼ばれる静岡で少年団に所属している小学六年生・桜田創始は、チームメイトと一緒になんとなくサッカーを楽しむノンガチ勢! そんな少年団にある日、女の子が入団することになり――!?
「普通」の青春をかかせたら右に出るものなし?
そこそこなんとなく楽しむサッカー少年団にちょっとサッカーのうまい女子が入団してきた。サッカー女子ナナセの入団を機に、チームの絆が少しずつ強くなっていくが…
ほんとうに地に足がついた作品でよく言えば堅実、悪く言えば地味。だけど間違いなく「良い作品」と断言できます。チームの絆が強くなっていく少年時代を経て、それぞれの道に進んだ高校時代へ。
主人公は下手ではないそこそこ良い選手という平凡な設定。だからこそ人間ドラマが活きる作品です。

22. ぐらんぶる / 井上堅二、吉岡公威(連載中)
-裸系キャンパスライフ-
海沿いの街で一人暮らしを始めた北原伊織は衝撃の大学デビューを果たす。出会ったのは美女とダイビング、そして愛すべき野郎ども! バカを描かせたら天下一品の井上堅二と、裸の若者を描く達人・吉岡公威が繰り出す、酒とノリがあふれる最高のキャンパスライフ!!
なんも考えずにただ笑えるギャグマンガ。こういうキャンパスライフに憧れ…ない!
海沿いの街の大学に進学した北原伊織(男)はスキューバダイビングのインストラクターを営む親戚の家に居候を開始。しかし、そこで出会ったのはとびっきりの美女とスキューバダイビングとお酒を愛し、ほぼ全裸の男たちだった…。

© ぐらんぶる
この作品は感想を書くのがあほらしくなるのですが…コンプライアンス的なことを言うと未成年なのに酒飲んでるし、全裸だし、セクハラだし、アルハラだし…なスキューバダイビングを生業とするサークルの活動を描いた青春キャンパスライフ漫画です。大学時代に激しめの飲みサークルに入っていた人はなつかしくなるでしょう。あの飲み会の全力でくだらなくてその場にいる奴らしか面白くない感じをここまで漫画にできるのかと感動します。
もちろんスキューバの魅力も十分感じれる期待のギャグ漫画です。
23. バクマン / 大場つぐみ、小畑健(完結 / 全20巻)
-青春漫画道-
一握りの者にしか得られない栄光を手にするため、険しい“マンガ道”を歩む決意をした二人。高い画力を持つ真城最高と、文才に長ける高木秋人がコンビを組み、新たなマンガ伝説を創る! 新時代成功物語開始!!
夢はアニメ化!ジャンプで連載を目指す二人の少年の熱血漫画道
クラス一の秀才でもある高木秋人から一緒に漫画家を目指すことを提案された真城最高。ジャンプで連載、アニメ化を目指す二人は中学生ながらにして作品を作り上げジャンプの編集部へ持ち込みをする…
デスノートの名コンビが手掛けた青春マンガ家漫画。そもそもデスノートも絵は下手だが話を作る才能はあった大場つぐみ(実はラッキーマンの作者)と画力は高いが自身のヒット作は少なかった小畑健がコンビを組んだ作品なので(自分たちのことを描いているのかな?)と当初錯覚するほど。

© バクマン
作中に出てくる漫画家のそれぞれの作品がちゃんとアイディアや作画が出来上がっており劇中劇のようにもなっているということもおもしろい。

24. 惰性67パーセント / 紙魚丸(連載中)
-怠惰系キャンパスライフ-
美術系の大学に通う、女子大学生・吉澤みなみ。彼女の住む部屋には、毎日友達が入り浸って…!?
リア充ってほどではないけれど、ソコソコ楽しい日常が、惰性でダラダラ続いていく。ちょっとエッチで小難しい、女子大学生お部屋コメディ、始まるよ。
これぞまさに惰性…なにもせずに1日が終わっていた大学時代を懐かしむだらけた青春
女子大生と男子大学生のダラダラした日常を描く「惰性67%」。ぬるい日常とほんのりエロい。4畳半で繰り広げられるダラダラしてちょっと下ネタな青春漫画。
おもしろい、おもしろくないでこの作品を評価すると「めちゃくちゃおもしろいわけじゃないんだけど、ダラダラ読んでいたい」というような漫画です。大学時代のあのダラけた日常。なんも充実していないあの日々がめちゃくちゃ貴重な時間だったなと懐かしくなる変なマンガです。
25. 青のフラッグ / KAITO(連載中)
-青春純愛物語-
人生の岐路に立つ高3の春――。一ノ瀬太一は、なぜか苦手と感じる空勢二葉、幼馴染でリア充な三田桃真の2人と同じクラスになる。ある日、二葉から桃真への恋心を打ち明けられ、協力してほしいと頼まれた太一は…!? 青春に染まりゆく3人の新“純”愛物語、開幕!!
リア充と陰キャ、異性愛と同性愛…ひとつひとつの言葉が刺さる青春純愛物語
恋愛の一方通行が右へ左へ絡み合う純愛漫画。リア充なトーマに恋する二葉、二葉とトーマをつなごうとする中で二葉に恋する太一、そしてトーマは…。
登場人物は基本的にみんないい子たちで、それでいて誰にも言えないような葛藤を抱えている。それぞれが悩みながら自分の気持ちに向き合うさまはかなり切ない。最後がどうなるか全然想像できない現代ならではの純愛漫画。
26. ハイキュー!! / 古舘春一(完結 / 全45巻)
-青春バレー漫画-
おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?
間違いなくバレーボール漫画の最高峰!古豪・烏野が全国に挑む
異論反論あるかもしれませんがバレーボール漫画の最高峰と個人的に思っているのが『ハイキュー!!』です。数年後にはバレーボール漫画のスラムダンクとして語られるのではないでしょうか。
以前イッキ読みしてからすっかり虜。ジャンプで毎週読んで、単行本で試合をイッキ読みというのを数回繰り返しております。名言が多いのも魅力の一つ。
簡単な内容としては、運動能力は抜群だが技術がない日向翔陽が中学最後の試合でぼろ負けした天才セッターと烏野高校でコンビを組むことになる…というようなもの。結構オーソドックスな内容です。

© ハイキュー!!
バレーボールの試合のおもしろさ、選手の成長、熱いセリフが魅力なハイキュー!!ですが個人的に最大の魅力だと思っているのは「高校部活の終わりの雰囲気」をこれでもかというほどのリアリティで畳みかけてくるところだと思っています。勝って先へ進むもの、負けて引退するもの、引退する先輩を贈るもの…これらの描き方が抜群なんです。しかも、1校1校それぞれのドラマが見えるんです。まあ泣けますよね。
あの部活動の甘酸っぱい青春を思いだした人は必読です。

27. 彼方のアストラ / 篠原健太(完結 / 全5巻)
-SF青春漫画-
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!
2019年マンガ大賞受賞!SF×青春漫画の最高傑作
宇宙への往来が当たり前になった近未来で高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つも事故に巻き込まれ宇宙へ投げ出される。運よく漂流してた宇宙船に乗り込んだ一行は、食料を道中の惑星で補給すれば何とか変えることができるかもしれないと気づいた9人の宇宙を舞台にしたサバイバルがはじまる。

© 彼方のアストラ
5巻と短いながらも素晴らしいできの作品。星毎に環境も違うし、9人それぞれのドラマもある。また、自分たちがなぜこのような事件に撒きこまれたのか?というミステリー要素やtwitterでトレンド入りした壮大な伏線などパンパンに情報が詰まっています。
青春漫画であり、ミステリーでもあり、SFでもある「彼方のアストラ」は間違いなく名作です。

28. 映像研には手を出すな! / 大童澄瞳(連載中)
-青春アニメ漫画-
アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!
「脳内」の設定を絵にして動かし金にする…映像を作るワクワク感がたまらない
最強の映像を作るために集まった3人娘。設定大好き少女の浅草、アニメーター志望のツバメ、金もうけが好きで交渉に長けた金森。映像研の存続をなっとくさせるための映像づくりがはじまる…
よくある美少女ものにしなかったのが良い。ツバメ以外は美少女感0だし、安易な恋愛ものに走らず徹底的にクリエイティブな作品。細かすぎる妄想だらけの設定画像、作り込んでるときの必至感などすごい。作りたいから死ぬ気で作ってるという感じが最高です。
29. 坂道のアポロン / 小玉ユキ(完結 / 全10巻)
-青春ジャズ漫画-
1966年初夏、横須賀(よこすか)から地方の高校へ転入した薫(かおる)。幼い頃から転校の繰り返しで、薫にとって学校は苦しいだけの場所になっていた。ところが転入初日、とんでもない男と出会い、薫の高校生活が意外な方向へ変わり始め…!?
文化祭での即興ジャズシーンは漫画史(アニメ史)に残る屈指の名シーン
「ジャズ漫画」ではなく、1966年代を舞台にした青春漫画というほうが正しいかな。正反対の2人がジャズを通して仲良くなってっていう話…と言いたいところなんだけど、話や心情の動きとかはかなり繊細につくられているし、60年代の学生運動やらも絡んでくるしおっさんがハマりそうな設定。そして恋愛に関しては三角関係どころか五角関係ぐらいまでいく(こういうのは少女漫画っぽい)。ほんときれいな作品で、少女漫画があまり得意でないわたしも普通に面白かったです。
ただ…もう少し音楽のパートを増やしてほしかったなあとも思います。特に文化祭のシーンなんてめちゃくちゃ美しい。こういうシーンをもっと見たかった。
30. それでも町は廻っている / 石黒正数(完結 / 全16巻)
-青春日常漫画-
人情あふれる丸子商店に存在するメイド喫茶(カフェではない)「シーサイド」。ありふれた町のちょっとおかしなメイド喫茶を舞台に繰り広げられるドタバタ活劇!
ギャグ、日常、人情、美少女、SF…が奇跡的なバランスで成り立ってる作品です
普通の町のおかしなメイド喫茶を舞台に繰り広げられる日常ドラマが「それでも町は廻っている」。日常漫画の中でも最高峰の作品だし、達観したようなメッセージ性があるように見えることも…。主人公の歩鳥は推理小説大好きな女の子でムードメーカー。歩鳥を中心に個性豊かな登場人物がバンバン出てきます。

© それでも町は廻っている
日常、SF、萌え、ミステリー、ギャグすべてをぶち込んでさっぱり似こんだような作品でずっと読んでいられる。時系列がバラバラなので途中混乱することもありますが、それもあえて狙ってるとわかるので感動します。良い日常漫画はその日常が終わりに近づくときに強烈なノスタルジー感を出してくると僕は思ってるんですが、それ町のノスタルジー感は強烈。

31. あおざくら 防衛大学校物語 / 二階堂ヒカル(連載中)
-防衛大学青春漫画-
勉強好きの高校生・近藤勇美は食堂を営む実家が再開発で潰れることになり、進学を諦めかけていた。だが、学費無料どころか給料がもらえる防衛大学校のことを知り、見事合格する。
近藤を待つ世界とは……!?
幹部自衛官を養成する機関・防衛大学校を舞台にした疾風怒濤の青春物語、開幕!!
防衛大学校で成長していく若き自衛官達の青春群像劇
家庭の事情で進学をあきらめていた近藤が「学べるだけでなく給料ももらえる」という理由で防衛大学校への進学を決意。未来の自衛官を育てるこの学校では世間では考えられないようなルールや風習が繰り広げられており、周りも癖のある輩ばかり…。
「国防」に関わる内容なのもあり敬遠する人も多いと思うんですが左右の思想なく読んでほしい名作です。自衛隊賛美の作品というより、かなり変わった学校である防衛大学校でどんなことが起きていて、若者はどういう風に成長していくのかを見守る作品である意味で「もやしもん」や「銀の匙」のような作品だと思います。


まとめ
あらためて「青春」という切り口で漫画を見てみると名作ぞろいだということがわかりますね。このジャンルは本当に作品が多いのでもっと絞り込みたい人は「スポーツ漫画」や「音楽漫画」などで漫画を探してみてもよいかもしれません。

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