定期購読しているのはジャンプなんですけど、好きな漫画家はなぜかサンデー出身の作家が多いです。ジャンプは引き延ばしが多いのに対してサンデーはきっちり作品を終わらせることが多いので一人の作家さんが名作を何本も書いています。
おすすめサンデー漫画はこちら

この記事で紹介する藤田和日郎先生もそのサンデーで活躍する一人。多くの名作を残しています。
INDEX
藤田和日郎とは
まず藤田先生がどういう作家さんなのか簡単に略歴を見ていきましょう。いつも通りですがwikipedia先輩を参考に編集。
- 高橋留美子の短編「闇をかけるまなざし」を読んだことをきっかけとして漫画家を目指したらしい。
- 1988年に第22回新人コミック大賞に入選した「連絡船奇譚」が『週刊少年サンデー』の増刊号に掲載されてデビュー
- 1989年「うしおととら」連載開始。6年以上の連載に。
- 1997年「からくりサーカス」連載開始。およそ9年の長期連載。
- 2006年以降『ビッグコミックスピリッツ』『モーニング』など青年誌に活動の拠点を移す
- 2008年ふたたび少年サンデーに戻り『月光条例』を連載
- 2016年『双眸亭壊すべし』の連載を開始
略歴はざっとこんな感じ。漫画に対してめちゃくちゃ情熱をもっているため同業の作家さんたちに「マンガの鬼」としてキャラクター化されている。本人のtwitter(@Ufujitakazuhiro)も結構面白い。うしおととらのアニメの時の気合いの入り方とかすごく思い入れあるのがわかってよかった。
藤田和日郎長編作品まとめ
藤田和日郎の真骨頂ともいうべき長編の少年漫画。長い長い物語の末のクライマックスの盛り上げ方は一見の価値あり。ちなみに長編記事はすべてマンガワンで期間限定イッキ読みをやっているので是非落としておいたほうが良い。
「藤田和日郎」の長編漫画はマンガワンで期間限定イッキ読みをしてきました。マンガワンでは他にもサンデー系の名作が多数イッキ読みできてきた必ずダウンロードしておきましょう。
最近では「サンデーうぇぶり」でもイッキ読みが始まっています。
1. うしおととら / 藤田和日郎(全33巻+外伝1冊)
蔵の中に、500年も閉じこめられていた妖怪。ヤツはその昔、人を食い、悪業の限りを尽くしていた。ひょんなことからヤツを解き放ったのが、蒼月潮(あおつきうしお)。うしおはヤツにとらと名づけた……。うしおととらの伝説が、いま、幕を開ける!
藤田和日郎の名を日本に知らしめた少年漫画の傑作であり連載デビュー作。日本の少年漫画がお手本とすべき王道の作品ともいえる。破魔の槍を手にした少年うしおとその槍に封印されていた大妖怪とらが人を害する妖怪と戦う話。
うしおととらの友情が徐々に深まっていくこと、圧倒的ラスボス白面の恐ろしさ、ラストへ向けての物語が加速して行くさまは圧巻。何度も泣いた名作。放映の終わったアニメも素晴らしい出来でした。

2. からくりサーカス / 藤田和日郎(完結 / 全43巻)
遺産相続絡みで命を狙われる少年・勝と人を笑わせないと死んでしまう病にかかった男・鳴海、そして勝を助けるためにからくり人形を操る女・しろがね…。三人の運命が交錯する時、“笑顔”の本当の意味が…!?
藤田作品の中でもっとも長期連載されたのがこのからくりサーカス。元々は気弱な坊ちゃんだった勝が鳴海やしろがね、それ以外のかっこいい大人たちに魅了されてどんどん成長していくのが面白い。

© からくりサーカス
対ラスボス戦は「うしおととら」が最高だけど、ラストに持っていくまでの流れは「からくりサーカス」が最高。個人的に「うしおととら」は友情がテーマで「からくりサーカス」は愛がテーマなんじゃないかなって思っています。

3. 月光条例 / 藤田和日郎(完結 / 全29巻)
ある月の青い夜。月光と演劇部の前に、おとぎばなしの住人・鉢かづき姫が、いきなり本の中から現れた。彼女は、不思議な月光でねじれてしまった「おとぎばなし」の世界をもとに戻すため、「月光条例」を執行する人間を求めてやって来た使者だった。偶然、条例の〈極印〉を授かり執行者になってしまった月光は…!?
「うしおととら」「からくりサーカス」と比べるとやや評価の低い印象なのが「月光条例」ですかね。僕も当時連載で追いつつもアラビアンナイト編(超ながい。。。)で一度ドロップアウト。ただ先日マンガワンというアプリで全巻イッキ読みをやっていたのでそこで改めて読んでみたら「あれ?面白いじゃん」ってなり無事完読。イッキ読みすると面白さがわかる作品です。
藤田作品の良さはラストにあると思っていて、この作品もそれです。ちょっと中だるみするところを超えれば最後はやっぱり藤田作品だなあってなるので同じように途中で読むのをやめた人がいれば最後まで読んでみましょうよ…って言いたい。
4. 双眸亭壊すべし / 藤田和日郎(連載中)
大正時代より、東京・沼半井町に傲然とそびえ立つ奇怪な屋敷、
名を「双亡亭」。立ち入った先で闇と出会ってしまったら、もはや己は己でなくなるだろう。
遺恨を辿る者達はその門戸へと導かれ、集い、挑む。おぞましき屋敷を破壊する為に…!!
藤田先生の最新作。双眸亭と呼ばれるめちゃくちゃ恐ろしいお化け屋敷を破壊するために自衛隊が爆撃したり、霊能力者が集まったりするという話。まだ2巻なので何とも言えませんが藤田作品はイッキ読みしたいというのがあるので連載終わるのをゆっくり待とうかなーって2巻まで読んで思いました。
まだどうなっていくか全然わかんないけど、この「双眸亭壊すべし」はおそらく「家族愛」をテーマにしているとにらんでいます。
藤田和日郎短編作品まとめ
長編こそ藤田作品の真骨頂と言いましたが、短編もいい出来だったりします(オイ)。
1. 邪眼は月輪に飛ぶ / 藤田和日郎
世界を壊滅に追い込もうとしている一羽のフクロウ《ミネルヴァ》。人類存亡の危機を救うため、今ひとりの老マタギが立ち上がる!超怪力作家が渾身の力で描く、壮大なスペクタクルバトル!!
「うしおととら」「からくりサーカス」と長編が続いた後に出された短編。短い中にもきっちりと物語が詰め込まれた名作。
その眼で見られたものは死んでしまうという恐ろしいフクロウ「ミネルヴァ」を倒すために、過去一度ミネルヴァを落としたことのあるマタギの鵜平が銃を取って戦うという話。

© 邪眼は月輪に飛ぶ
主人公4人のキャラも立っており藤田和日郎氏ならではの熱さは健在。紫玉のエンターテイメントです。鵜平がスニーカーを履くとことか良いシーンでぐっとくる。

2. 黒博物館 スプリンガルド / 藤田和日郎
19世紀・ヴィクトリア朝初期のロンドンで、女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生。現場では、高笑いしながら跳び去る怪人の姿が目撃されていた。3年前、夜道で女性たちを驚かせたという「バネ足ジャック」が殺人鬼となって帰ってきたのか?事件を追うロンドン警視庁の警部は、意を決してある「貴族」の館へ馬車を飛ばす……。
『モーニング』に掲載されたこの「スプリンガルド」もかなり面白いです。イギリスの都市伝説である「バネ足ジャック」を独自の視点で描く中編とその後日談が収録されている。
個人的にはこの後日談がかなり良いです。というかこの後日談が綺麗に物語を締めてくれるんですよね。
3. 黒博物館 ゴーストアンドレディ / 藤田和日郎 (上下巻)
ロンドン警視庁の犯罪資料館「黒博物館」に展示された“かち合い弾”と呼ばれる謎の銃弾。ある日、それを見せてほしいという老人が訪れたとき、黒衣の学芸員は知ることになる。超有名な「お嬢様」と、「もうひとり」が歴史的大事件の裏で繰り広げた、不思議な冒険と戦いを…!
「黒博物館」シリーズの2作目はなんとナイチンゲールの生涯をオカルトを交えて描く快作。歴史漫画としても楽しめます。ただし、戦争&病院をえがくのでやや不衛生な描写あり。
上下2冊のボリュームにこれでもかというほど物語が詰め込んでるのでかなりパワーを使います。しかも結構伏線をばらまいててちゃんと回収する。すげえ・・・ってなります。
4. 藤田和日郎短編集 夜の歌 / 藤田和日郎
新人コミック大賞入賞作「連絡船奇譚」を始め、「メリーゴーランドへ!」「夜に散歩しないかね」「掌の歌」「からくりの君」収録の初の傑作短編集。
デビュー作を含む5つの短編が掲載されている短編集。からくりサーカスの原型っぽいものやうしおととらの番外編が読めるのでファンからも人気。
5. 藤田和日郎短編集 暁の歌 / 藤田和日郎
会えばクルマや女の話ばかりする友人。目の前でタバコをふかしても文句一つ言えない両親。そんな人々に囲まれて生きる少年・淳一は、しわだらけの祖父を見るにつけ「きっとオレも、ああなっちまう」と将来を悲観してばかり。だがある日、その祖父を米軍の女性将校が突然、極秘裏に訪ねてきた。そして淳一は、理由も知らされないまま祖父に連れられてアメリカ本土へ…
短編集の2作目。「美食王の到着」「瞬撃の虚空」「ゲメル宇宙武器店」「空に羽が…」の4つの短編が読める。「瞬撃の虚空」のおじいちゃんがカッコイイ。「空にはネガ…」はかなり感動します。
まとめ
あらためていい作品を生み出し続けている素晴らしい漫画家だなと再認識しました。新作の「双眸亭壊すべし」もどうなるか全然読めませんけど期待しています。


