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小説『オレたちバブル入行組』を読んだ感想・ドラマとの違いを解説 / 池井戸潤による半沢直樹シリーズの第1作目

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コロナで放送が延長されていた伝説のテレビドラマ「半沢直樹」のシーズン2がついに開始しましたね。

日曜劇場『半沢直樹』シーズン2の最新話までのあらすじ・全話感想・視聴率まとめ

 

長く待たされた飢餓感からか期待以上におもしろく、毎週楽しみにしているのですがちょっと日曜が待ちきれなく小説版『半沢直樹シリーズ』をイッキ読みしました。

 

シリーズ全部読みましたがやっぱり名作です。ドラマで半沢直樹の原作に興味を持った人にも是非読んでほしいですね。

 

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『半沢直樹』との出会った経緯

私が半沢直樹の小説に出会ったのはTVドラマ放送の1年ぐらい前。池井戸潤作品として『下町ロケット』の面白さにハマった私は面白い企業小説をさがしており、他の池井戸潤の作品をブックオフで探すという日々を過ごしておりました。

 

そこで出会ったのが『オレたちバブル入行組』。

 

(この表紙とタイトルのダサさ。作品の面白さとは裏腹にTVドラマまでイマイチ知名度の低い要因は絶対これだと思う。)

 

読み始めは正直期待していなかったんですが、痛快なストーリーと半沢直樹というキャラクターにすっかり魅了され続編を手にするのもすぐでした。

 

そしてTVドラマ化するのを知った時は、「バブルのやるじゃん。絶対視る」と心に誓ったのですがTVドラマの出来は私の想像をはるかに超えて日本中で大ヒット。まさか、あのダサい表紙の小説が日本を代表する作品になるとは…と感動したものです。

 

作品概要:『半沢直樹1 オレたちバブル入行組』とは

オレたちバブル入行組 / 池井戸潤

半沢直樹シリーズの1作目である『オレたちバブル入行組』はバブル末期にメガバンク(作品上では産業中央銀行)に入行した半沢直樹の銀行員生活を描いた作品。オレたちとあるように半沢の同期入行組の現在も描かれている。

作者が元銀行マンということもあり、銀行独特の慣習や文化にスポットを当てつつもそこで懸命に組織に抗うある意味でヒーロー物のような作品。

 

第1作の『オレたちバブル入行組』では大阪の支店である半沢直樹が5億円の粉飾事件に巻きこまれ、上司の妨害にあいながらも回収に奮闘するという話。TVシリーズ前半の原作でもある。

シリーズ全体を通してみると比較的スケールの小さい事件ではあるが、そこが逆にリアルでおもしろい。


作者:池井戸潤さんについて

池井戸潤さん写真

池井戸潤さんは岐阜県出身の小説家で慶応義塾大学卒業、三菱銀行に就職した元エリートでもあります。『果つる底なき』でデビュー後、銀行ミステリーのイメージが強くつく。

しかし、本人はエンタメ作家として評価されたい想いが強かったため「人」に焦点を当てた作品を書くようになった。

代表作

多くの作品がドラマ化されております。

など


メディアミックス / 関連商品

テレビドラマ『半沢直樹』

日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビ
TBSテレビ:日曜劇場『半沢直樹』の公式サイトです。

ご存知半沢直樹。2020年8月現在シーズン2を放送中です。

日曜劇場『半沢直樹』シーズン2の最新話までのあらすじ・全話感想・視聴率まとめ

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漫画版『半沢直樹』

私は読んでいませんがコミカライズ化しております。

 

『オレたちバブル入行組』のあらすじ

大手メガバンクの東京中央銀行にバブル期に入行した半沢直樹。現在は大阪西支店で融資課長に。

 

ある日、予算達成に向けて強引に支店長・浅野の命令により日大坂スチールに5億円の融資を行うも直後に倒産。粉飾の事実に気づいた半沢は5億円の回収に動くが社長の東田は失踪。さらに上司である浅野に失敗の責任のすべてを押し付けられる。

 

このまま5億円を回収できなければ銀行マンとしてのキャリアをすべて失い子会社への出向になってしまう半沢。責任をすべて半沢に押し付けようとする浅野と銀行本部に妨害されながらも東田を追う半沢はある事実に気づいてしまう…。

 

『オレたちバブル入行組』を読んだ感想

オレたちバブル入行組の評価
ストーリー
(3.5)
スカッと度
(5.0)
スケールの大きさ
(2.5)
敵のウザさ
(4.0)
総合評価
(3.5)

半沢直樹の痛快な言動に度肝を抜かれる

TVドラマでもはや代名詞ともなった「倍返し」。あらためて小説版を読んで思うのは半沢直樹の痛快な言動です。自身に悪意を持って接してくる者、不正を犯した者を徹底的に糾弾し、時には脅し、精神的に追い詰める半沢。

こういう物語の主人公は優しさがウリのキャラが多い中、情け容赦なく追い詰める半沢はまさに時代が求めるアンチヒーロー。憎たらしい悪役に対して手段を択ばず追い込んでいく半沢。この逆転劇こそが半沢直樹シリーズ最大の魅力です。

銀行の常識は世間の非常識

銀行、とくにメガバンクというものがどういう組織であり、派閥争い、人事なのか。また取引先にどういう態度をとってきていたのか。

普通の企業以上に内向きであり、殿様商売していることがわかります。

 

「銀行の常識は世間の非常識」

 

と作中で半沢の妻が言いますが納得です。

ストーリーの面白さは並だが登場人物は抜群に面白い

誤解を恐れずにいうと、ストーリーの面白さやどんでん返しなどは並かなと思います。

ただ、半沢の強さや容赦の無さが際立っており、その行動がすごいのどんどん引き込まれていく面白さがあります。ドラマを見ていてもわかると思いますが、この半沢直樹というキャラクターの強さと悪役の意地悪さの対比こそが半沢直樹のおもしろさであり、ストーリーの面白さをかみしめる作品じゃないですね。

半沢直樹が頭角を現すまさに序章

シリーズ1作目は大阪の視点ということもありスケールはかなり小さいです。おそらく、半沢はこれまで堅実な仕事をしており大きな過失なく普通に出世してきたのがわかります。

その半沢が銀行の表舞台に颯爽と現れるためのきっかけになるのがまさに今回。半沢は逆境に強く、組織の理不尽にも徹底的に歯向かう人物なのですがこれまで大きなピンチには出会ってこなかったんでしょう。

このトラブルを解決する手腕が買われて、敵を増やすも明確な成果をあげて本店へ出世していくまさに序章。

大変痛快な第1作目でした。あっという間に読み終わりました。

 

ドラマとの違いは?どっちが面白い

ドラマ見て小説を読んでいない人、小説を読んでドラマを見ていない人が気になるのは「どっちが面白いの?」ということだと思う。

 

小説の感想記事とは言え忖度なしで答えると間違いなくTVドラマ版の方がおもしろいです。

 

それぐらいTVドラマが素晴らしかったです。最近、TV版の再放送を見たうえで小説を読み返してみての感想なのでまず間違いないでしょう。ただ、小説ならではのエピソードやおもしろさもあるのであらためてTVドラマ版と小説版の違いをいくつか解説していきます。

半沢の就活時代のエピソードが読めるのは小説版だけ

小説版では半沢が東京産業中央銀行に就活する際のエピソードが描かれています。どういう面接を経て、どんな同期と出会い、内定後にどんなことがあったのか。

バブル期ならではの就活エピソードはドラマ版では読めない小説版のエピソードです。

9.11で行方不明になった同期一のエリートの存在

小説を読んだ時に結構頭に残っていてTVドラマ版でカットされた一番のエピソードが半沢の同期である押木の存在です。

押木と半沢は同じ大学であり、産業中央銀行の面接の後に出会います。素朴な人柄とは裏腹に英語をかなり達者にしゃべる押木のことを半沢は非常に尊敬していました。

同期で一番の出世頭であった押木はNY支店ではたらいており、あの同時多発テロに巻き込まれ行方不明になってしまいました。この押木は半沢含め同期達にとって非常に大きな存在になっています。

原作では半沢のお父さんは死んでいない

TVドラマ版ではネジ工場の社長である半沢の父は産業中央銀行に融資を見捨てられ自殺しています。その父の敵である銀行に入社するというのがドラマ版で非常に大きな意味を締めています。

一方で小説版では父は死んでいません。TVドラマ版同様に産業中央銀行に融資を断られ窮地に陥るのですが、それを地元の信金に助けてもらったというのが原作です。

余談ですが、このエピソードをテレコにして「信金に融資を断られたのを、産業中央銀行に救ってもらいました」と半沢は就活で語って内定を勝ち取っています。

ちなみにこの融資を断った銀行マンは原作では大和田常務ではなく木村という小者です。

妻である花は圧倒的にTVドラマ版

TVドラマ版の半沢の妻・花は上戸彩肯じており活発ながらも非常に良い妻でした。一方で小説版の妻は広告代理店出身であり、半沢にも非常に攻撃的です。

上戸彩は正義だなとTVドラマ版を見て確信しました。

ミキ(壇蜜)の懐柔の仕方が圧倒的にTVドラマ版

作品のどんでん返しにおけるミキ(壇蜜)の役どころは非常に重要です。しかし、ミキをどう懐柔しどんでん返しに持っていくか。そのプロセスはTVドラマが段違いに良かったですね。

TVドラマはミキにバンカーとして向き合い、信頼してもらうというプロセスを得ています。半沢直樹の銀行マンとしての顔が見える非常に良いシーンですね。

小説版はミキの浮気相手から恐喝気味に利用していくという結構短絡的な動きをしています。ドラマの脚本化はほんと良い修正をしましたね。

悪役のウザさはビジュアル分TVドラマ版が上

半沢直樹の魅力は悪役ですね。このウザさが真骨頂。顔芸含めて。これはTVドラマも小説も変わりなくむちゃくちゃウザいです。どっちもウザい。

しかし、TVは役者が非常に良いのでビジュアル分上ですね。こればかりは文字と映像なのでしょうがないです。

なんでも香川照之はじめアドリブ多数らしく、役者陣の真骨頂とも言うべき展開なのでしょう。

銀行ならではのエピソードや背景などは小説版の方がかなり丁寧に説明されている

じゃあ、ドラマを見ればいいじゃんという感じかもしれませんがやはり小説も読んでほしい。TVドラマより描写が細かく、エピソードも多数盛り込まれてるのはやはり小説なんですよね。

メガバンク同士の合併による派閥争い、銀行における出向の意味などなど小説版でしか語られていない描写は多数ありますし、読んでおくとはるかにTVドラマの理解が深まります。

なにせ金融系企業小説なのでドラマの一見だと意味わからない部分もあるんですよね。これぞ原作の意義です。

 

まとめ

半沢直樹の原点である『オレたちバブル入行組』。シリーズを通してもっとも容赦なく相手を追い込んでいく半沢直樹を堪能できます。

ストレス発散にもなる痛快な企業小説であり、めちゃくちゃ読みやすいので小説初心者にもおすすめです。

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