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音楽が聴こえてくる小説『蜜蜂と遠雷』を読んだ感想♪直木賞&本屋大賞をW受賞するのも納得の名作【恩田陸】

すげえいまさらですが積読していた恩田陸さんの作品で直木賞と本屋大賞をW受賞した『蜜蜂と遠雷』を読みました。

いやあ、良かった。正直感動しました。小説でこんなにも音楽の魅力を感じることができるとは…。素晴らしい作品なので感想を書いていきたいと思います。

 

作品概要:『蜜蜂と遠雷』とは

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

ジャンルは「音楽小説」。国際的なコンクールに出場する若きピアニスト達の演奏の様子を描いた青春音楽小説です。構想12年、取材11年、執筆7年の大作。着想してから書き始めるまでに5年、作者自身も3年に1回、開催される浜松国際ピアノコンクールへ通い執筆をつづけながら取材を続けて書ききったというエピソードからも難産だったことがわかります。

たしかな取材に基づく1冊です。

作者:恩田陸さんについて

恩田陸さんは宮城県出身の小説家で1992年に小説家としてデビューしています。哀愁を誘う情景描写が得意で「ノスタルジアの魔術師」と呼ばれることも…。膨大な読書量を基盤に幅広いジャンルの作品でヒットを連発している作家さんです。多作で有名。

代表作

非常に多作で多くのヒット作を持つ。『蜜蜂と遠雷』以外の代表作の一部は以下。

  • 六番目の小夜子
  • 夜のピクニック
  • 麦の海に沈む果実
  • ユージニア

『蜜蜂と遠雷』:受賞歴

  • 第156回直木三十五賞
  • 第14回本屋大賞

直木賞と本屋大賞をW受賞した初の作品であり、本屋大賞を2度受賞したのも恩田陸さんが初めて。すごいですね。

メディアミックス、関連商品

実写映画『蜜蜂と遠雷』2019年秋公開

『蜜蜂と遠雷』は2019年秋の公開が決まっております。ある意味実写映画化は小説以上に挑戦になるかもしれません。実際の「音楽」が聴こえるのだから。監督にはこの「音楽シーン」を逃げずに撮ってほしいものです。

キャスト
  • 栄伝亜夜:松岡茉優
  • 高島明石:松坂桃李
  • マサル・C・レヴィ・アナトール:森崎ウィン
  • 風間塵:鈴鹿央士

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『蜜蜂と遠雷』内で演奏された楽曲集も多数リリースされています。

 

あらすじ

近年国際的に評価を高めつつある芳ヶ江国際ピアノコンクール。このコンクールを優勝したものは国際ピアノコンクールも優勝するというジンクスがあり注目を集めている。

その参加者を募るオーディションで亡きピアノの大家ユウジ・フォン=ホフマンの推薦状をもった風間塵が現れます。劇薬のようなピアノを披露し審査員に衝撃を与えた風間塵。

天才少女としてコンサートを続けながらも母の死を機にピアノが弾けなくなった栄伝亜夜。妻子を持ち楽器店で働きながら生活者のピアノの良さを伝えたい28歳の高島明石。そして名門音楽学校の生徒で複数の国にルーツを持つ天才マサル・C・レヴィ=アナトール19歳。

3人の天才、年長者の明石等を中心とした競争、そして自分自身との戦い。優勝を目指して予選を戦うピアニストたちの成長と音楽の素晴らしさを描いた作品です。

 

主な登場人物

蜜蜂と遠雷:人物相関図

『蜜蜂と遠雷』はコンクールの出場者の演奏をメインに展開。その演奏を審査員、関係者の目線など視点を変えながら描かれています。

コンテスト出場者

風間塵(かざま じん)

物語はジン・カザマがオーディションを受けるところから始まります。16歳でピアノも持っておらずコンテスト出場経験すらない。しかし、偉大なるピアノの大家ホフマンが死ぬ間際にクラシック界に送り込んだ神童。「自然」を感じさせる演奏、トリッキーな演奏で聴くものを「不快」にも「虜」にもする天才。聴くものを熱狂させる。

亡き師との約束でもある「音楽を外に連れていく」ことと自分のピアノを手に入れるためにコンクールへ参加する。また実家が養蜂所なことから「蜜蜂王子」と呼ばれる。

栄伝亜夜(えいでん あや)

幼い時からピアノの才能を世に認められた天才少女。母の死をきっかけにコンサートをドタキャンし音楽業界から身を引いていたが、恩のある先生から推薦されコンクールへ復帰した。

過去のトラウマから自分が音楽の世界に戻ることへの迷いを持っていたが塵の音楽に背中を押され再び才能が開花。

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール

複数の国にルーツを持つ容姿端麗のピアニスト。才能があるだけでなく貪欲に音楽を学ぶ努力家でもある。幼いころに住んでいた日本で栄伝亜夜と出会いピアノを始める。自分で演奏するだけでなく人の演奏を聴くことが非常に好きで出番以外はずっと聴いている。

ナサニエル・シルヴァーバーグに師事しており優勝候補。

高島明石(たかしま あかし)

28歳で妻子持ち。コンクール出場者の中では年配に当たる。元々国内のコンクールで入賞するなど実力者だったがサラリーマンになっていた。生活の中にピアノがあってもいいんじゃないのかという想いを持っており最後のコンクールのつもりで挑戦。またその様子を同級生から取材されている。栄伝亜夜のファンでもある。

審査員 / その他関係者

ユウジ・フォン=ホフマン

ピアノの大家でコンクール直前の2月に死去。塵の才能を見出した人であり、コンクールへの推薦をした張本人。塵を「ギフトにするか、災厄にするか君たち次第」と音楽業界を挑発した。

ナサニエル・シルヴァーバーグ

マサルの師匠でありホフマンを尊敬する人物。コンクールの審査員。ホフマンの弟子である塵が気になる。

嵯峨三枝子(さが みえこ)

塵のオーディションを審査し激高した自身も著名なピアニスト。ナサニエルの元妻。

浜崎奏(はまさき かなで)

亜夜の先輩であり良き相談相手。自分の耳に絶対的な自信を持っており亜夜の才能を信じている。

仁科雅美(にしな まさみ)

明石の同級生でカメラマン。コンクールのドキュメンタリーを撮っている。

 

『蜜蜂と遠雷』を読んだ感想

とにかく687ページもあるのに回り道せずほぼコンクールでの演奏描写だけで構成されているということに驚きました。誰かが足を引っ張ったり、話の本筋をずれて恋愛描写に走ったり、、、が無いんです。気持ちがいいほど主題であるコンクールからブレません。コンクールを最初から最後まで描いたと恩田さんは言っていますがまさにその通りです。

4人のピアニストの描き方もおもしろい。おそらく一番感情移入できるのは年長者であり凡人(と言ったら失礼か)の明石。彼の内面は非常にナイーブに描かれていますし、元天才少女の亜夜は迷いを通して大きく成長していく過程が描かれています。優勝候補でもあるマサルはコンクールを楽しむ様子と冷静なバランス感覚がわかりますし、物語をかき回す塵は最後までミステリアスな存在で内面はほとんど描かれていません。

このピアニスト4者の視点、彼らを審査する審査員の視点、応援する人の視点、コンクールを支える裏方の人々の視点など様々の角度の視点からコンクールを切り取っており音楽を文字で表現しているにもかかわらず読者を飽きさせません。どのぐらい凄いかというと、同じ登場人物で1次、2次、3次、本戦の演奏シーンをそれこそ楽曲ごとに描いていてもどんどん読めます。凄くないですか?また(私のように)音楽に造詣がないものにもその演奏の素晴らしさを伝える恩田陸さんの文章は脱帽ものです。臨場感あふれる描写、そして観客の熱気が手に取るようにわかりますし「曲を知らないのに音楽が聴こえてくる」ように感じます。

ピアニストごとに実際の曲のプログラムを決めていることも非常にリアリティがあります。そして、本当に最後の最後まで誰が優勝するかわかりません。作者自身が「青春群像音楽小説」と言ってるようにまさに群像。誰が優勝してもおかしくない、そして最後に優勝者を見てすごくストンと落ちる納得感もあります。

また優勝する、しないだけではなくコンクールを通して成長していくピアニスト達のさまを是非見てほしい。非常に爽やかで前向きになれはずです。

ミュージック。その語源は、神々の技だという。ミューズの豊穣。

少年はミュージックだ。

彼自身が、彼の動きのひとつひとつが、音楽なのだ。

音楽が駆けていく。

音楽ってすばらしい。

 

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