映画『THE FIRST SLAM DUNK』はやっぱり最高！往年のスラムダンクファンも納得の出来

観た。公開から約1か月たった頃、ずっと楽しみにしていた『THE FIRST SLAM DUNK』を観てきた。

やっと来たぜスラムダンク

— コトリ@心ファイア (@defender_21) January 8, 2023

中学、高校バスケ部だった自分にとってはまさにバイブル。暗記するほど読んだスラムダンク。今の映像表現で山王戦のスラムダンクが見れることがただただ楽しみだった。

2023年1月14日 元バスケ部の僕がスラムダンクの全試合を語り尽くし「嗚呼、スラムダンク最高…」と懐古してみる記事

映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観る前はやっぱり不安だった

もちろん観る前は不安だった。声優交代と秘密主義のプロモーションから公開前は結構炎上していた。

漫画のスラムダンクは暗記するほど読んできた僕もTVアニメ版スラムダンクはほとんど見ていない（地元宮崎では放送時間が変則的だった）。桜木の声がジャイアンにしか聞こえないという意見もあったが、ドラえもんも旧声優ぐらいしかまともに見ていない僕にとっては大した問題じゃなかった。

25年たってバスケのルールが変わってることも不安だった（原作時のルールのままだった）が、主人公を宮城リョータに変更していることが一番不安だった。山王戦はリョータは他4人に比べ客観的にフォーカスされる部分は少ない。もちろん見せ場はあるけど…

しかし、そんな不安を一蹴するほど『THE FIRST SLAM DUNK』は最高だった。当然だ。山王戦は全スポーツ漫画史上最高の試合だからだ。コンテンツとして強すぎる。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の原作と同じところ、違うところ

『THE FIRST SLAM DUNK』をこれから見る人にとって気になるのは原作通りなのか、違うのかというところだろう。個人的にはそんな細かいことは気にせずさっさと見たほうがいいと思っているけど…

基本的な試合展開は原作準拠。ただし、山王戦の後半のみ

本作は原作スラムダンクでも山王戦を描いている。インターハイの2回戦にあたる。

その山王戦。前半は序盤のみでメインで描かれるのは後半になる。この後半の試合展開はカットなく描かれていると思っていい。暗記するほどスラムダンクを読んでいる自分からしても「あのプレーがカットされたな」と思うシーンはなかった。

なので試合としての山王戦はとても正確に再現されていると思ってだろう。安心して今すぐ見に行くとよい。

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試合外のエピソードや細かい台詞は映画用に改変アリ

そもそも試合中に喋るのは難しい。『THE FIRST SLAM DUNK』は山王戦をバスケの試合として再現しようとしている。選手同士の会話やプレー中の観客のコメントは現実的にはありえない。この辺りはかなりカットされている。

それでも無理のない範囲で原作の細かい描写が残っていて見つけたときは少しうれしくなるはずだ。

ただ、魚住のカツラむきや海南の牧・監督たちの解説、名物おじさんの粋なコメントはカットされている。原作では牧など全国エースのリアクションがいい味出していたので残念だったが、リアルな試合展開を考えると難しかったのかもしれない。もしくは尺の問題か（3時間になってもいいからカットせずにやってほしかった）。

そして、リョータ、三井、ゴリの過去のエピソードはほぼ作り直されている。リョータは原作ではほぼ過去が描かれていないので、今回映画化するにあたりリョータを主人公にして過去を作ることが必要な作業だったのかもしれない。リョータの過去に合わせて三井やゴリの過去も微修正されている。

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』はやっぱり最高だった

リョータを主人公にして再構成した本作。あらためてめちゃくちゃ面白かった。

リョータの悲しい過去からThe Birthdayの『LOVE ROCKETS』のOP。ここから鳥肌立った。このゴリゴリの攻撃的な音楽とともに井上雄彦の手書きっぽい演出でリョータ→三井→ゴリ→流川→花道と一人ずつスタメンが描かれる。そして、向かい合うのはあの最強山王。この演出が最高にかっこよく座席の下でコッソリ手をたたいた。

山王のゾーンプレスの圧は超強力だった。高校生の時に全国2位のチームにゾーンプレスされたトラウマが蘇った。そこから湘北の切り込み隊長が抜き去ったシーンは圧巻だった。

三井のスリーポイントは最高だった。山王戦のMVPは紛れもなく三井だろう。あのヘロヘロで不気味な三井が見事にそこにいた。

家族と確執があったリョータが「ドリブルこそちびの生きる道なんだよ」と深津と澤北を抜き去るシーンは音楽とかみ合って鳥肌が立った。やばかった。ここがこの映画のハイライト。

そして、ラスト。漫画でも無音だったシーン。それをこの映画でみれてとても良かった。（左手はそえるだけ）。見ていた人はみんな聞こえたはず。そして、花道と流川のハイタッチで音が蘇る。ぞわっとしました。

試合ごのエピソードはファンサービスみたいなものかな。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』はファーストだけどおそらくラスト

『THE FIRST SLAM DUNK』。FIRSTと名を冠していますが、見ていて（おそらくこれが最後のスラムダンクなんだろうな）と思いましたね。映像化にあたり原作ラストの試合を選んでいるし、井上先生のモチベーション的にも続編は描かれないでしょう。

可能であればこのクオリティでTVシリーズ化して最初から放送してほしい…とも思いましたが、脚本・監督井上雄彦ではさすがに難しいでしょう。バガボンドも終わっていないし…。

なので、スラムダンクをリアルタイムで体験できる最後のチャンスです。もう一度といわずなんども見たい。

追記：解説本『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』買いました

映画の興奮が冷めやらず、2回目を見に行く予定がしばらくたてられそうになかったので解説本である『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』を買いました。ちょっと高かったですが井上雄彦先生の悩み、本編で描かれなかった設定、そして幻の読み切りである『ピアス』も読めて大満足。

『ピアス』はジャンプで読んでいたのですがほぼ内容忘れてて改めて読むとほぼ映画『THE FIRST SLAM DUNK』のリョータの過去そのままでしたね。『ピアス』読むと井上先生がリョータの過去をしっかり描きたかったことがわかります。

しかし、井上先生のロングインタビュー読めば読むほどもうスラムダンクの続きは読めないことがわかって落ち込む…。かなり、燃え尽きてそう。ただ、この経験をへて『バガボンド』の続きを書いてくれることを…期待。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』公式情報

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